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学会発表が不安な内向的研究者ほど、外見を整えるべき理由

学会発表の不安を乗り越え、自信を持って教壇に立つ女性研究者の後ろ姿
学会発表の不安を乗り越え、自信を持って教壇に立つ女性研究者の後ろ姿

はじめに― 透明人間になりたかった私


 私は小さいときから内向的で、人と関わるのが苦手でした。みんなは友達作りのルールを知っているのに、自分だけルールを知らないような気持ちで、集団に馴染めない自分を責めていました。そのため、助教になりたての私は、研究職に就いたにも関わらず「いつか能力の無いことが誰かに暴かれるのではないか」という恐怖にとりつかれていました。後になって、この「いつか偽物だとバレるのではないか」という恐怖には、「インポスターシンドローム(詐欺師症候群)」という名前がついており、特に女性研究者に多く見られる心理傾向だと知りました 。だからこそ、学会に出席してもできるだけ目立たないように、透明でいようとしていたのです。

 当時の私は、ブルーライトカット眼鏡にストライプシャツ、サイズが合わないパンツにパンプス型のクロックスという服装でした。人の気分を害さないよう、ただひっそりとやり過ごすための外見です。しかし、隠れようとする恐怖心は身体に出ます。人と目線が合わせられず、自分の意志とは関係なく喉の筋肉が強ばり、表情もぎこちなくなりました。発表前は緊張で何度もお手洗いに駆け込み、プレッシャーに押しつぶされそうでした。さらに、どんな質問が来るかわからない質疑応答や、どう振舞っていいかわからないカンファレンス後の交流会など、学会発表に伴うこれらの不安は大きく、一刻も早く逃げ出したい恐怖の場だったのです。

透明人間になりたかった当時の私
透明人間になりたかった当時の私

学会発表の不安を和らげる「性格」のトレーニング


 逃げ出したいと思いながらも、当時の私はずっと考えていました。「自分は一体どこが悪いのか」「コミュニケーションにおいて、他の人とどう違うのか」と。

自分を観察し、周りと比べてみることで、私は相手からの質問に対して最低限の答えしかしていないことに気づきました。そこから少しずつ、会話を広げるよう意識してみたり、授業や学会発表での体の使い方に気をつけるようになったのです。そうするうちに、会話用モードや授業・学会発表モードの自分が形成されていることに気づきました。

 実は後になって、この経験が理論的に正しかったことを知りました。コミュニケーションコーチのVinh Giangは「内向性は固定されたものではなく、長年の習慣や環境の結果だ」と主張し、社会心理学者のAmy Cuddyは「パワーポーズ(力強い姿勢)をとることで自信が作られる」と提唱しています 。つまり、自分の会話パターンを認識し、身体の使い方をモニターする行為はメタ認知的知識になります。その知識をもとに、自分が臨む方向へトレーニングを重ねることで「新しいモード」は作ることができるのです。この新しいモードである「ペルソナ」を作ることができれば、繊細な心のまま無防備に外へ出ていく必要はありません。ペルソナを切り替えることで、自分の繊細な心を守りながら、違う行動や考え方ができるようになります。


その土台が「外見」である理由


 内向的な人は、他者にどう思われるかに非常に敏感です。そのため、授業や学会発表の際に「私、大丈夫かな?」という外見への雑念が少しあるだけで、それがノイズとなり集中力を奪ってしまいます。逆に言えば、ファッションやメイクなど外見に整えておくだけで、雑念が消えて目の前のことに集中できます。結果として、自分にとってベストなパフォーマンスを発揮できると私は信じています。

 しかし、多くの女性研究者は「外見ではなく研究で判断してほしい」という葛藤を抱えています。私自身も当時は、「外見に気を遣う=研究に集中していない、チャラチャラしている」と見なされ、資質を疑われるのが怖くて仕方ありませんでした。だからこそ、なるべく地味に、透明人間になるような装いを選んでいたのです。ですが、悠々と授業や学会発表を行うための「自信の土台」として、他人のためではなく自分のために外見を整えるべきだと今は強く思います。


ペルソナの切り替えは練習できる


 実際、外側が内側に与える影響は大きく、背筋を伸ばし首を長く保つ姿勢をとるだけで、プレッシャー下での恐怖心が減り、自信が向上するという心理学の研究結果もあります。首を長く保つ姿勢をするだけで自信が向上するという研究結果もあります。身体の使い方というのは非常に重要で、私は外見というベースを整えた上で、姿勢、手の位置、声の出し方などの身体的アンカーを使ってペルソナの切り替えをしています。例えば私の場合は、授業の際にまず姿勢と手の位置に注目します。姿勢は首を長く胸を張ってスペースを取るようにし、手は教壇に置くか身振り手振りに使います。


学会発表の不安を乗り越えるための、首を長く保ち背筋を伸ばす姿勢(アラインメント)のイメージ
学会発表の不安を乗り越えるための、首を長く保ち背筋を伸ばす姿勢(アラインメント)のイメージ

この姿勢のアラインメントにより、パワーポーズ効果で自然と自信が湧いてきます。そして声の出し方として、授業の第一声を「頭の後ろから教室の後ろへ放り投げるイメージ」で発声し、教員のスイッチを入れています。ペルソナの切り替えは、このようなトレーニングで誰でも可能になります。まずはシチュエーションによって、自分がどういう行動をできるようになりたいかぜひ考えてみてください。


たった一度の成功体験で人は変わる


 私の成功体験は、ウラジオストクで行った学会発表です。大学院の指導教授との共同発表であり、発表前は緊張で何度もお手洗いに駆け込みました。しかし発表が始まると、事前に準備した通り姿勢と声を意識することで、自分でも「堂々とできた!」と思える出来でプレゼンテーションをすることができたのです。厳しくて有名だったこの指導教授に褒められたことで、「自分は学会発表ができるんだ」と心から信じられるようになりました。

たった1回の成功体験、たった一人からの認める言葉や励ましで、人は自分に自信を持ち、なりたい自分へと変容していくことができます。あなたにも、そんな経験を作ってほしいと願っています。その思いから、私は内向的な女性研究者向けのサービスを立ち上げました。ぜひ、LINE登録で無料の「Quiet Presenceガイド」を受け取ってみてください。興味のある方は30分無料相談も承っていますので、まずはあなたのお話を聞かせてください。

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